《Chapter-04》 Warning

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間もなくして、COSMO ISLANDのWASA本部から入電、SMC3000の説明が流れた。 【WASA本部からの報告です。スペース・アナライザー・システム『SAnS』の観測によると、百年に一度の巨大な太陽フレアが発生しました。スーパーフレアです……】 スーパーフレアの発生が、危険度最高レベルの訳は、ソーラーストーム(太陽嵐)が押し寄せるからである。隕石ならば、幾ら大型であっても船体への衝突回避は可能だが、ソーラーストームではそうはいかない。 ソーラーストームは太陽風のモンスターで、宇宙空間を隈なく覆い尽くすため、回避不可能である。大海の真ん中で大嵐に遭遇した帆船の運命と同様だ。 太陽フレアは、太陽表面にあるプラズマが、太陽の強大な重力さえ振り切って、宇宙空間へ大量に吹き飛ばされる現象。高熱、高エネルギーのプラズマの爆風が、宇宙空間を埋め尽くす。 通常は太陽風と呼ばれ、X線や紫外線、さらには陽子や電子までも放出する。太陽放射線のシャワーが降り注ぐのだ。 勿論、地球も太陽風を受けている。だが、磁気圏という御加護による恩恵を授かり、放射線の直撃は免れている。 SAnSの分析によると、ソーラーストームの到達予測時刻は、約8時間後だ。 SSアーク号は磁気バリア『MAGシールド』を完備しているが、初めて遭遇するソーラーストームの衝撃は未知数である。万全の態勢で迎え撃つしかない。 image=512249155.jpg
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