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《Chapter-06》 Strange
未曾有の危機から逃れることが出来たSSアーク号は、ゆっくりと『謎の天体』に接近している。
それは、新たなアドベンチャーへの序章なのか。それとも、未知なる大宇宙の思し召し、人類への命題なのか。
詳細を確かめるためには、やはりあの聖なる場所しかない。
それと、いよいよ天体の専門家の出番が到来したようだ。
私はケイトと共に、フォレスト博士ご自慢のスペシャル空間へ出向いた。
展望室は透明特殊合金製で、繋ぎ目のない360度のクリアービューが広がる。
満天の星とは正にこのこと。一つ一つの星に手が届きそうだ。
地上から見上げた星空なんて、0.1未満の近視眼で見ていたようなものである。宇宙空間で観る星々は、大気による揺らぎがないためか、全く瞬くこともなく輝き続ける。
天文房の扉を開けると、奥まった窓際には白衣姿があった。アルバート・フォレスト博士の大きな背中である。
「失礼します、博士。今、よろしいですか?」
声をかけると、博士は振り向きざまに驚きを口にした。
「やぁー、ま、参ったよ! キャプテン」
常に沈着冷静、博識である天体物理学者が放った、思いもよらない第一声には驚いた。
「なっ、何事ですか?」
「お父様、いかがなさいましたの?」
ケイトも心配そうに近寄ると、博士の腕を優しく掴んだ。
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