《Epilogue》 Space, the Mysterious World

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《Epilogue》 Space, the Mysterious World

◆◇◆【宇宙日誌】西暦2201.04.19 ログイン⇒ 記録を始める前に、いつものルーティンであるBGMの選曲が必要だ。 今日はどうしても、希望溢れる虹色の曲が聴きたくなった。短かめの曲だが、カラフルな音色の電子楽器が奏でるハートフルなサウンドが、とても心地よい。 ♯ Any Color Your Life ♪ をセレクトした。 謎の天体『氷の妖星』の存在は、未知なる宇宙域に迷い込んだ私たちにとって、最大の謎となった。 量子の世界では、エネルギーの壁をすり抜けるトンネル効果が確認されている。 光速を超えたと言われるニュートリノは、三次元ブレーンから高次元へすり抜けていた。 ミクロの世界では、不思議現象がいくつも観測され、実証されている。 この未知なる大宇宙では、マクロな世界にも想像を絶する現象が、起こるのかも知れない。 SSアーク号は、次元の壁をすり抜け、時空を飛び越えたのだろうか。 ワープやタイムスリップが起こった可能性は否定できないのだ。 ここは一体、どこの宇宙域なのだ? はたまた、どの時代なのか? 突然襲ってきたソーラーストームの影響だろうか。 それともワームホールにでも飛び込んだのだろうか。 最新の多元宇宙論では、平行宇宙(パラレルスペース)の存在が予言されている。 ワームホールで連結されて、葡萄の房のように、いくつもの別宇宙があるという。 それはユニバースに対して、マルチバースとも言われている。 何れにしても、『氷の妖星』の存在は、確かに現実なのである。 未知の魅力にとりつかれた私たちを(いざな)うように、清白色の妖しい輝きを放っている。 その煌めきは、私の探査意欲を大いに駆りたてる。
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