《Chapter-02》 Introduce

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また、21世紀から酷くなった地球規模の温暖化や異常気象が更に輪をかけた。 北半球の中緯度に位置する極東一の大都市では、11月の公園に蝉が鳴く。新年の初詣で賑わう境内は、桜の花が満開となった。 やがて22世紀も末期を迎え、自然破壊が頂点に達すると、北半球ではほとんどの生物種が滅びた。僅かに生き残った人間たちは、南半球の小さな大陸に逃れて生き延びた。 百億もの人口の繁栄は、あっという間に百分の一まで衰退した。 しかし、少ないはずの人口も限られた生命圏では抱える余裕はなかった。小さいと言っても、五大陸の一つに数えられ広大なる陸地が広がるが、陸地の三分の一近くも海中に没したのだ。 そこで人類が選んだ生きる術は、宇宙への移住だった。具体的な移住方法として、最終的にノミネートされたのは、三つの案だった。
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