第一章 八月の夜

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8月のある夜、僕は久しぶりに専門学校の頃の友達と渋谷で、会う約束の為、電車に乗り込んだ。 夜も遅い時間の上がりだったので、比較的に空いていた。 僕は埼玉から渋谷までだいたい一時間くらいのところに 当時は住んでいた。 名前は、根村快22歳の独身 好きな音楽を聴きながら、外の暗い景色を、ぼんやりと見ていた。 あの頃は、これといってやりたい事もなく、 ただ時間を、潰すように生きていた。 そんなのが、いけないと考えながら、 車窓から景色を見ていたのだろう。 何だかんだで、渋谷についた。相変わらずだ。 時計を確認して、9時を少し過ぎた位だろうか 相変わらず蒸し暑い。人のこもる熱気。ひしめく人の群れ。取り囲むような様々な匂い。灯々と照す明かり。 上を見上げれば、高層ビルの航空障害灯が、チカチカと点滅していた。 「おまたせ!ごめんごめん!」との声に、顔をあげるも、隣に座る知らない人だった。 時間はただただ進んで、僕だけをおいて進むようだった 友達は同い年の美容師 永原だ。 専門の頃に知り合い、最初は仲が悪かったが、後には一番の親友にまでなっていた。 ずば抜けてかっこいいわけじゃない。 身長は、180㎝位、肩幅は広くしっかりした体格     
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