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「え、え? どういうって」
ちょっぴりどぎまぎしつつ、メルは返事に詰まった。どう答えたらいいのか、困ったメルはネウィルを見上げた。
そのネウィルが、彼女を見ずに答える。
「従妹だ」
「従妹? それだけか?」
「それだけだ」
たったの一言はっきり答え、ネウィルはジンに聞き返す。
「すぐに出られるか?」
「ああ。いーぜ。商売道具はいつも持ってっからよ。オレの幕屋に寄ンなくても大丈夫だ……、って」
ジンの黒い目が、何となく寂しさに覆われるメルに向けられた。横目の視線を彼女に注ぎながら、ジンがずけずけと言い放つ。
「何で騎士サンが仕切ってんだよ。オレの雇い主は、オメーだっつの。オメーが仕切れよ」
「え、え? えと」
思わず裏返った声を上げたメルだった。
しかし、ジンの主張はもっともだ。ネウィルも兜の奥で苦笑している。騎士の苦笑の意味に思いを巡らせつつ、メルは小さく息を整えた。そして、挑戦的な態度で腕組みするジンに向き直り、彼を正視する。
「わたしは、今から聖句を見た場所へ、ピアンキ王のお墓を探しに行く。ジンも一緒に来てくれる?」
「おう、いーぜ」
緊張に震えるメルの初指令だが、ジンは冷やかしたりする風もなく、快くうなずいた。
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