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読書感想文の倒し方
『─なので、とても面白かったです。』
蝉がみんみんと鳴き、太陽がぎらぎらと照り、雲がもくもくと伸び、かき氷がきんきんとおいしい、8月も残りわずかとなったお昼過ぎ、ぼくは机に向き合って最後の宿題を終わらせた。
夏休みの宿題はそうではない時の量とは比べ物にならないほど多く、算数ドリル、漢字ドリル、ラジオ体操、水泳スタンプ、絵日記、自由研究、読書感想文と続く。夏休みが始まるとあまりの量に、これは本当に片付けられるものなのか、といつも疑問に感じる。
ぼくはどちらかというと、とりあえず目一杯遊び、宿題は夏の終わりにばたばたと終わらせるタイプだ。楽しいことを散々した後、お母さんにわあわあ言われながら宿題をやっつけにかかる。両ドリルのすさまじい量の設問をばったばったと終わらせて、絵日記は改ざん、自由研究はお母さんとお父さんに手伝ってもらって何とかする。ラジオ体操と水泳スタンプは地道に通うしかない。ここまではいい。むしろ3年生だった去年なんかは、途中からゲームでモンスターを倒すような感覚すらあった。だけどひとつだけやっかいなヤツがいた。読書感想文だ。
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