読書感想文の倒し方

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 「なにが?」  「宿題だよ。おれなんて絵日記とスタンプしか終わってない」  「算数と漢字は?」  「最初の方はやったんだけどよ…つまんないじゃん」  「ぼくは何か、モンスター倒してく感じでやっつけたよ」  「なにそれ、モンスター?そんな感じしないよ。ヒロトの方がモンスターだよ」  「何でそんなこと言われなきゃなんないんだよ」  「じゃあ、読書感想文も終わったのか?」  「…ちょうどさっきね」ぼくは歯切れ悪く答えた。  「あれさー、本読むのがめんどいんだよなー。読んじゃえば、楽しかったですと面白かったです、で終わらすんだけどさー」  こんなところにも仲間がいたよ!  「何読んだんだよ」エツジがたずねてくる。  「ナゲキバトってやつ」  「何かタイトル暗そうだな。すぐ読めんの?」  「厚みはそんなにないからな」  「じゃあ貸してくれ」  「同じやつ読むとかやめてよ」  「えー。じゃあ感想文の方貸して」  「だから貸さないってば」  市民プールが近付いてきた。プールと同じ敷地内にある公園を横切っていく。     
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