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つ、と裸の胸を指で触れられる。 「ホントすげぇな、吸い付くみたいな肌目の細かさだ…女みたいに柔らかくなくても、この肌なら全然イケる」 男の息が少し荒くなった。 そして、川嶋の反応を見るように、昨日宇賀神がつけた幾つもの赤い痕をなぞるようにその指が動く。 痕がついているところ、それはつまり川嶋の弱いところだ。 触れられたくない。 感じたくない。 だけど、このままでは。 きっと宇賀神が気づいてすぐに助けに来てくれる。 だから、それまでの間、彼のものであるこの身体を守らないと。 思うようにできない呼吸と、熱のある頭で必死に考える。 川嶋は、不意に打開策を思いついた。 興奮気味に川嶋の肌を撫でさすっている男に、瞳を向けた。 好都合なことに、熱のせいでそれは潤んでいるはずだ。 男の視線が川嶋の顔に止まった。 川嶋は誘うように唇を少し開く。 そして、ゆっくりと舌で渇いた唇を舐めた。 過呼吸で息が荒いのも、欲情と勘違いされるだろう。 後は、声さえ出せれば。 うまく誘えるかなんてわからない。 でも。 「あんたのモノ、口で、させて?」 今出せる精一杯の掠れ声で、川嶋は言った。 「宇賀神は、上手いって…言うよ?」 そんなこと、絶対にしたくない。 だけど。 口にそいつのモノを突っ込まれれば、過呼吸は多少落ち着くはずだ。 そして、口を犯されている間は、少なくとも身体を守ることができる。 少しでも時間稼ぎにはなるだろう。 ゴクッと男の喉が鳴った。 「ふん…宇賀神の愛人は、とんだ淫乱だな」 そこまで言うなら、やって貰おうか? 男はズボンから自身のモノを取り出した。 既に川嶋の裸体に煽られたのかそそりたっている。 目の前に突き出され、川嶋は震える唇でそれを咥えた。 と、後頭部を押さえつけられ、ぐいっと押し込まれた。 拒絶反応で嘔吐きそうになる。 川嶋は目を瞑る。 龍の、これは龍の、龍のだから。 形も大きさも臭いも全然違うけれど、必死にそう思おうとした。 とにかく、口でとりあえずは満足させないと、すぐに次の段階に移ってしまう。 舌と唇を使い、その汚ならしいものを必死に舐める。
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