3.

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そんな可愛いことを言う唇に、猛烈にキスしたい。 そして、できることなら、その唇を汚した嫌な記憶を上書きしてやりたい。 けれど、その可愛いひとは、すぐに宇賀神の欲求に敏感に気づいて、さっさと両手で口を押さえている。 真面目で頑固なところも川嶋で、そういうところも好きなんだから仕方がないけれども。 そんな可愛い仕草をされたら、止められないのが男の欲望というやつだ。 脇腹をスッと手のひらで撫でる。 伊達に十何年も抱いてきていない。 川嶋の身体のことなんて、全部わかってる。 案の定、くすぐったそうに川嶋が身を捩った。 口を押さえていた手が緩む。 すかさずその手を掴んで、拒む隙を与えずに唇を重ねた。 「ん……っ」 口の中が熱のせいで酷く熱い。 ひとしきり口の中を舐め回して、あまり無理をさせてはいけない、と宇賀神は唇を名残惜しげに離す。 「龍、ダメ、って言った、のに」 「アキのなら、風邪の菌も全部俺のものだ」 俺にうつしたくないなら、もう風邪なんかひくな。 そんな傲慢なことを言ってやったら、そのひとは困ったように頭をこつんと胸に押し当ててきた。
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