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「は、あ……ん……」 やっと離して貰えても、息継ぎするのがやっとで、すぐまた喰いつかれる。 宇賀神の唇も舌も唾液も、全てが熱い。その熱が、川嶋の粘膜を嬲り尽くした。 久しぶりに与えられた快楽が疲労と混濁して、激しい水音と自分の漏らす喘ぎ声が、どこか遠くの出来事のように感じる。 「悪い、サカりすぎだな」 キスだけでぐったりと立っていられなくなった川嶋に、ようやく宇賀神は気づいてくれた。 ひょいと抱き上げて、車に運んでくれる。 が、乗せられたのは、後部座席にどっかりと座った宇賀神の膝の上だ。 川嶋のスーツの上着を脱がし、ワイシャツのボタンを外し始めながら、宇賀神は運転手に向かって短く命令する。 「俺がいいと言うまで適当に流しとけ」 「龍!」 大抵のことには動じない川嶋だが、さすがにそれには抗議の声を上げる。 乗っている車はいわゆる極道御用達の高級輸入車だ。 ある程度広いとはいえ、リムジンのように長いわけでもワンボックスのようなスペースがあるわけでもないセダンだ。 一応運転席と後部座席の間には仕切りがあるとはいえ、防音というわけではない。 前の席には運転手と側近の一人が乗っている。 そんな車の中で、コトを始めようというのだ。 急に抵抗し始めた川嶋の腕をなんなく片手で封じて、宇賀神は焦れたように言った。 「マンションに着くまで待てない」 川嶋の首から抜き取ったネクタイでその手首をあっという間に縛る。その上にはだけたシャツを被せ、更に動きにくくなるよう固定した。 「龍、やだ…や…」 「前の二人のことなんか気にするな。俺のことだけ考えろ」 言いながら、あらわにした胸に唇を寄せる。 「や…っん」 さっきのキスで、身体はもうだいぶ敏感になっている。 舌先で軽くなぞられただけで、ほんのり色づいた胸の尖りがぷっくりと浮かび上がってきた。 「龍っ……!」 そんな無茶を言う男に、それでも触れられるだけで背中が震えるほどの快感が走って、川嶋はひくんと身体を跳ねさせた。
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