Outro 呪縛はあとのお楽しみ

23/39
前へ
/575ページ
次へ
「ある程度、だれがどう動くか――少なくともおれに関しては計算していただろう。 フィリルを慕っていたし、フィリルに何が起きたか、凪乃羽が夢を見たように、おれもロードによって夢を見せられた。 加えて、躰ごと地球と行き来ができるのはおれだけだ。 逆に、ロード・タロの思惑がなければ、この復讐劇は成り立たなかった。 その鍵は凪乃羽で、シュプリムグッドに召還することが前提でなければならない」 やはり気に喰わないといった面持ちでヴァンフリーの顔は歪んだ。 ヴァンフリーとタロの溝はどうやったら埋まるのだろう。 フィリルとタロ、心を寄せるふたりのこれからのことを考えると、ついそんなことを思う。 「ヴァン、でもロード・タロは少し先のことは考えられても、ずっと未来のことは見通せないんでしょ? 皇帝が未来にやることをわかってたら、皇帝の好き勝手にさせるようなことはなかったと思うし、そのまえに、自分の力を上人たちに分け与えることはなかったと思う」
/575ページ

最初のコメントを投稿しよう!

374人が本棚に入れています
本棚に追加