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「ある程度、だれがどう動くか――少なくともおれに関しては計算していただろう。
フィリルを慕っていたし、フィリルに何が起きたか、凪乃羽が夢を見たように、おれもロードによって夢を見せられた。
加えて、躰ごと地球と行き来ができるのはおれだけだ。
逆に、ロード・タロの思惑がなければ、この復讐劇は成り立たなかった。
その鍵は凪乃羽で、シュプリムグッドに召還することが前提でなければならない」
やはり気に喰わないといった面持ちでヴァンフリーの顔は歪んだ。
ヴァンフリーとタロの溝はどうやったら埋まるのだろう。
フィリルとタロ、心を寄せるふたりのこれからのことを考えると、ついそんなことを思う。
「ヴァン、でもロード・タロは少し先のことは考えられても、ずっと未来のことは見通せないんでしょ? 皇帝が未来にやることをわかってたら、皇帝の好き勝手にさせるようなことはなかったと思うし、そのまえに、自分の力を上人たちに分け与えることはなかったと思う」
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