Outro 呪縛はあとのお楽しみ

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「一人ではないから孤独ではないとは限らないだろう。 現に、ローエンが本音を云える相手はいない。 いちばん身近にいた母にさえもそうだ。 もっとも、ローエンが母に心を砕くはずもない。 母を手に入れても、それはその身を奪っただけで心までは得られない。 簡単明瞭なことだ。 たとえ、母の気が変わり、ローエンを受け入れたとしても信じきれないだろう。 無理やりハングから奪った代償だ。 推測すれば、その愚かな所行は、母が手に入らないなら母の娘を――即ち、フィリルを奪うに至り、結局はロード・タロから奪うという、同じことを繰り返したにすぎない」 「フィリルは――お母さんはエム皇妃が母親だってことを知らなかった。皇帝は、ハングの娘だから引き取らなかったの?」
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