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「母はあのとおりの人だ。ハングが見初めてもおかしくない。
戦乱中に捕虜となったが、それ以前に、ある部族の長から無理やり娶られていた。
ハングはそのとき身重だった母の意思を確認して連れだした。
捕虜といっても、ハングがそうして戦のなかを同行させたのは、保護すべき者ばかりだった。
捕虜という立場に置いておけば襲撃があってもその対象にはならない、安全な場所だったからだ。
シュプリムグッドを制覇し、統治へと進んでいる間にフィリルは生まれてハングは母娘ともに囲っていた」
「そのときに、ヴァンはエム皇妃のおなかの中に生まれてきた……憶えてる?」
「さすがに記憶は生まれてからのことしかない」
ヴァンフリーは呆れたように首を振り、答えを聞いた凪乃羽は、
そうなの?
とがっかりした。
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