10人が本棚に入れています
本棚に追加
『筆者』が書き記した『想い』が息づいているのが肌で感じられるんだよ!こんな素晴らしい事はないさ」
準一はアカリの『抗議』を意に介する事なく、ページをめくりながらメモを取っている。
ずっとそうだ。
小さな頃からずっとそう。
アカリが小さな頃から父は自分とではなく、こうした『ガラクタ』としか『遊ぼう』としない。
決して悪い人間では無い‥‥と思うが、家族愛とかサービス精神という点から言えば及第点はあげられまい。
‥‥それにしても、よくもまぁあれだけワケの分からない文字?を相手に喜べるものだと感心するが。
「いったい、何処で買ってくんのさ?そんな胡散臭いヤツ。まさかネットオークションとか?」
ネットで売られる骨董の『相当数』は、本物と鑑定出来ないものだと聞くが。
「いや‥‥これはネットじゃぁない。この業界では『ネズミ』って名前で呼ばれてる遺跡ブローカーから買ったモノなんだ。いや‥‥『胡散臭い』という点では『甲乙つけ難い』かな‥‥」
ふふ‥‥と、準一が肩で笑う。
「だが、これは凄いんだぞ? 何しろ『未知の言語』で書かれた直筆の本だからな。私も含めて、どんな研究者も見た事の無いであろう『新発見の言語』だ!」
「またぁ‥‥いいの? そんな胡散臭いヤツ。ダマされて高い金払わされたんじゃないのぉ?」
最初のコメントを投稿しよう!