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「そうだな‥‥それもホラ、見てご覧? ある程度‥‥2~5文字程度をひとつの単位として、少し空白を開けて次の文字列を書いてあるだろ? これは英文のような『表音文字』の特徴なんだ。表音文字の場合は『くっつけて書く』と、単語同士が引っ付いてしまって判読出来なくなるからね‥‥」
なるほど、言われてみれば『そう』書いてあるように見える。
「じゃぁ、英語圏?」
「いや、そうとも言えない。何故なら、ひとつの文字が異常に複雑だからな。『画数』と言っていいのか分からないが、とにかく多いものだと1つの文字で10角以上あるものも珍しくない‥‥これは漢字のような『表意文字』の特徴なんだよ」
画数が増えても視認性と圧縮性に利点があるのが『表意文字』だが、それだと単語間が開く理由はない。
「ワケわかんない。で? 何て書いてあるの?」
アカリにとっては言語の文化的分類に興味なぞあろうハズも無い。あるとしたら『何が書いてあるのか』くらいの話だ。
以前に歴史の授業で、古代ギリシャの古文書を苦労して解読したら『今どきの若いモンはなっておらん』と書いてあったと聞いて、教室の皆で大笑いした事があるのをアカリは思い出した。
何か面白い事のひとつも書いてあれば、SNSでのネタくらいにはなるだろう。
ウマく行けば少しはバズるかも知れないし。
「ははは‥‥流石に『完全解読』は、まだだな。何しろ見た事の無い言語だしね」
うーん、使えないオヤジだな‥‥
「‥‥何かヒントとか無いの?」
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