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「ああ。こうした新言語の場合、色々なアプローチがあるんだが‥‥この本が『作られた目的』からも推測出来ると考えてるよ」
ポン、と準一が本を叩く。
「目的?」
「そうだ。この本はね、恐らく『日記』だと私は考えている」
「‥‥どうしてそう思うの?」
未知の言語でありながら、何でそんな勝手な事が言えるのかと思うが。
「これを見てご覧? ページごとで文章量が大きく異なるだろう?沢山書いてあるページもあれば、数行しか書かれていないぺージもある‥‥だが、書き出しは常に『その後』ではなくページを変えて先頭からだ」
パラパラと準一がめくって見せる。
「ホントだ‥‥少ししか書いてないページがある」
「うん。しかも、各ページには『表題』らしきものが書かれていない。だから、何かの手順書とか‥‥説明書、解説書の類ではないと睨んだんだ。でも、何らかの明確な意図をもってこれは書かれている。文字に書いて『残す』必要があるもので、学術系でないとするなら『日記』と考えるのが妥当なのさ」
準一は得意げに説明して見せる。
そう言えば、ピラミッドの作業監督がパピルスに書いた『日記』が見つかった事があると聞いた事はあるが。
アカリは、その『日記』に顔を近づけた。
これは‥‥もしかしたら、相当に『バズる』ネタかも知れんぞ‥‥?
「何とか‥‥読む方法はないの?」
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