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「ははは!興味が湧いたか?流石は我が娘だ、考古学の血が騒ぐか?うん?」
興味をもって貰えたのが余程嬉しかったのか、準一が本をアカリに近寄せる。
「こうした場合、まずは全ての単語を書き起こしてリスト化する事から始めるんだが‥‥この本の場合、実に2万以上の『ワード』が用いられている事が分かっている」
ワードの数が多いことは、その文化・文明が相当に発達している事を意味している。文明の高度化に伴って、区別して理解しなければならないワードが多くなるからだ。
「そしたら、次にそれらの『偏り』を見るんだ。例えばこの『ワードNo2506』は、書かれている場所によって大きく偏りがある。出ない場所には全く出ないが、出始めると頻出する傾向にあるんだよ」
「ど‥‥どういう事?」
にっ‥‥と、準一がいたずらっぽく笑う。
「『気候に関するワード』だと、私は推測したね。例えば『暑い』とか『寒い』あるいは雨季であるなら『雨』とか‥‥それが証拠に、このブ厚い本では『ワードNo2506』は『ほぼ365ページ間隔』で、『偏りの山』が出来るんだよ!」
おおっ!
アカリが父親を見直す。
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