ワード No64

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「ははは!興味が湧いたか?流石は我が娘だ、考古学の血が騒ぐか?うん?」 興味をもって貰えたのが余程嬉しかったのか、準一が本をアカリに近寄せる。 「こうした場合、まずは全ての単語(ワード)を書き起こしてリスト化する事から始めるんだが‥‥この本の場合、実に2万以上の『ワード』が用いられている事が分かっている」 ワードの数が多いことは、その文化・文明が相当に発達している事を意味している。文明の高度化に伴って、区別して理解しなければならないワードが多くなるからだ。 「そしたら、次にそれらの『偏り』を見るんだ。例えばこの『ワードNo2506』は、書かれている場所によって大きく偏りがある。出ない場所には全く出ないが、出始めると頻出する傾向にあるんだよ」 「ど‥‥どういう事?」 にっ‥‥と、準一がいたずらっぽく笑う。 「『気候に関するワード』だと、私は推測したね。例えば『暑い』とか『寒い』あるいは雨季であるなら『雨』とか‥‥それが証拠に、このブ厚い本では『ワードNo2506』は『ほぼ365ページ間隔』で、『偏りの山』が出来るんだよ!」 おおっ! アカリが父親を見直す。     
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