第四話 作り物

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そのすぐ後、いきなり扉がバーンと開かれた。 「え? 」 「リラーー! やってほしいことはないか?! ほしいものはないか?! パパが何で……ふがっふぁにふぉふふ! 」 ……どうしよう、ちょっと後悔してきた。 「国王陛下、ノックもせずに何をなさっているんです? 嬉しいのはわかりますが、りら様はドン引きですよ」 国王を羽交い締めにし、口を塞ぐ姿まで綺麗だった。 超人がいる。筋肉があるようには全く見えないのに。 「仲良し、ですね」 ふとそんな言葉が零れた。 「私は! リラと仲良しになりたいぞ! 」 ここまで溺愛されると困る。 「国王陛下、子どもみたいなこと言ってないでください。りら様は俺がご案内致しますので、大人しくしていてください。ハッキリ言って邪魔です」 否定こそしなかったが、ハッキリキッパリ言い放った。 あーあ、いじけちゃった。……あれ? 私は違和感を感じて……無意識に白いモコモコを引っ張った。 ずるっ。 抵抗なく、スッポリと白い塊が落ちる。 私は白いモコモコのなくなった国王から目が離せなくなった。 ……なん、で? 顔に皺は見られるものの、綺麗な顔立ち。 そして、何より気なったのは……瞳。 鏡を見た時の私の瞳とおなじ。 「……あったじゃないですか。その瞳、お揃いです」 私は国王に、お父さんに微笑んだ。 びっくりしたまま動かない父が浮いた。 「うわあああ! 」 情けない声を出してノアに持ち上げられている。 だから、どこにそんな力が……。 「何だらしない顔なさってるんですか? ミシェルさん! 国王陛下お願い致します! 」 すごく雑! 少し遠くから足音が響き、メイドさんが現れた。 「 陛下! 行きますよ! ノアさん、陛下の回収ありがとうございます」 真面目そうなクールビューティだ。 彼女もどこにそんな力があるのか、父を引きずって行った。 父はしっかりと白いモコモコを握りながらも、情けない顔をして引き摺られていく。 ……私、別の意味で不安になってきたよ。
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