メインストーリー

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メインストーリー

高瀬群青は、野球が得意な小学校6年生。 地域のチームではショートを守り、中軸打者を務めている。 けれども、練習帰りの夕方。 ふいに目の前に空間が歪んだような穴が生じ、群青は興味本位で入り込んでしまう。 行きついた先は、見知らぬ世界。 やがて群青はそこがヒストムと呼ばれる異世界だと知る。 どうして自分がここに、と戸惑いながら周囲を歩くと、町の外れに人だかりを見つける。 そこは広場で、野球とそっくりの競技が行われていた。 人々の話ではピッチ&ヒットというスポーツらしい。 しばらく眺めていると、ルールは野球とほぼ同じ。 群青はここに紛れ込んだのが単なる偶然なのだろうか、と疑問に思う。 試合をしていたのは、地元のチームと旅芸人一座のチームだった。 草試合にも関わらず観客は多く、ピッチ&ヒットが町民の娯楽になっていることがうかがえた。 試合は旅芸人チームの圧勝で終わったが、群青には帰る場所がない。 しばらく広場の片隅で佇んでいると、同年代らしき少年と少女に声を掛けられた。 2人は旅芸人チームの一員だった。 はっきりと覚えていたのは、大人顔負けのプレーを披露していたからだ。 それもそのはずで、少年のほうは軽業師、少女のほうは剣術使い。 幼い頃から修練を重ねたという2人は仲睦まじく、時折言い合いをしながらも心地よい空気をつくっていた。 少年の名はカジン、少女の名はサルシャといった。 すっかり打ち解けた3人だったが、談笑をつづけていると大柄な髭面の男が現れた。 相手はカジンの父親で座長のミガン。 見掛けによらず陽気で優しい性格に思えたが、群青の一言で表情が一変してしまう。 「ここが平和そうな異世界で安心した。こうしてピッチ&ヒットを楽しんでいるところを見ると、魔王や魔族もいないんだろうし」 たったそれだけだった。 カジンとサルシャの口利きで、ひとまず一座で面倒を見てもらえそうな雰囲気だったが、ミガンは急に態度を固くする。
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