チョウととんぼ

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歩く力もなくしたくるるが、柔らかな枯葉に腰を下ろしていると、ひららが、ぽつりといいました。 「ねえ、くるる。じつは私も、もう、飛ぶことができなくなったの」 「ああ、ひらら」 よく晴れた日でした。 枯葉の布団に寝そべったふたりは、並んで空を見上げました。 どこまでも高く、青い空が広がっています。 「いい天気ね」 「そうだね」 「わあ、くるるの目、空と同じ色になってる!」 ひららが驚くと、くるるは面白そうに笑いましたが、やがて、ぽろぽろと泣き出しました。 ひららは、びっくりして言いました。 「どうしたの?」 「だって、空はあんなに青くって、きみはこんなに近くにいるから。だから、ぼく、幸せだなあって思ったんだ」 ひららは、うなづきました。 ふたりは、だまって、空を見つづけました。
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