12人が本棚に入れています
本棚に追加
やがて、日が暮れて夜になりました。
白くてつめたい何かが、ふたりに降り注ぎました。
「わあ、きれい。あれはなにかしら? 」
ひららが言いました。
「ぼく、がまのおばさんに聞いたことがあるよ。あれはね、雪というんだって」
「ゆき?」
ひららは、しばらく雪に見とれていましたが、やがて寒さにふるえました。
くるるは、もうほとんど動かなくなった羽をけんめいにのばして、ひららの頭にかけてやりました。
「あたたかいわ」
ひららの嬉しそうな声を聞くと、くるるも、とてもあたたかい気持ちになりました。
そうして、ふたりは、目を閉じました。
あとからあとから舞い落ちる雪が、ふたりの体を、真っ白におおっていくのでした。
おわり
最初のコメントを投稿しよう!