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楓はカラオケボックスでかなりの金額を使った事を気にして、居酒屋での支払いは自分が持つと言うが、さすがに大の男が女子に支払いをさせるワケにはいかない。
「いや、及川は払わなくていいよ。オレ、すぐに戻ってくるから、先に入ってなよ。外は寒いから、中で先に一杯飲んでていいよ」
「良くないよ、それじゃ古賀くんがかなりお金使うでしょ?何だか申し訳なくて…」
いや、金の事なら心配しなくてもいいんだが…
楓は居酒屋の前で、中に入らず、オレの懐事情を気にして、下を向いてる。
どーすっかなぁ。
「じゃ、今度及川が払ってよ。それかもしくはオレと付き合ってくれればいいや、アハハハハ!」
…あ、つい軽いノリで変な事口走ってしまった…
バカかオレは?もしかして酔ってるからこんな事言ったのか?
「…」
また沈黙だ。
楓はずっと下を向いたまま、黙っている。
余計な事、言うから楓が返答に困ってるじゃないか、何てオレはバカなんだろ…
「…いいよ」
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