古賀くんとなら、付き合ってもいいよ

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……………えっ? 今、いいよって聞こえたような… 「私、古賀くんとなら付き合ってもいいよ…」 楓が恥ずかしそうに下を向いて、ボソッと呟いた。 「あ、え?…あの。じゃあダッシュでコンビニに行くから中で待ってて!」 オレは脱兎の如く、物凄い速さで階段を駆け上がり、ラッシュアワー時の駅の通路で素早く人を避けながら走り、反対側のコンビニに入り、三万程の金を下ろした。オレは舞い上がって、今までこんなに速く走ったのは初めてじゃないだろうか、という程、速く走った。 その金をポケットに突っ込み、またダッシュで階段を駆け上がり、居酒屋の中へ入った… 自分でも信じられない程の速さで元の場所に戻って、息も切らさず、居酒屋の中へ楓が待つ席に入って行った。 …オレ、ついに彼女が出来た! ついにこの瞬間がやってきた! オレの遅すぎる春が到来した…
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