甘い獲物

11/19
前へ
/19ページ
次へ
 彼女は「ほら」と眉尻を下げた。 「私、インフルエンザだし……うつったら」  俺はふっと鼻を鳴らす。恋する男にインフルエンザなんて通用しない。――いや違うな。高田のインフルだったら喜んで貰ってやるさ。それでお前が元気になるというのなら。 「大丈夫。そのときはお前に責任とってもらうから」 「責任ってか……んっ」  高田の反論を飲み込むようにして唇を合わせた。  ぷるんとした唇も、やっぱり甘かった。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

90人が本棚に入れています
本棚に追加