始まりの…

真っ暗な夜

その中で雨が降り始める

一人泣いている女性

信号が点滅していて、青に変わる

孤独が支配した体は取り返しがつかない

一人になってしまった自分は、誰に縋り付けばいいのだろうか

「もう…駄目かな…」

抑えられない感情、孤独は

一人になりたくない、自分を見て欲しい

そばにいて欲しい、そんな欲望から

見知らぬ人までも頼ってしまい

「何で？何でみんな私を避けるの？」

嫌がる人は全て殺してしまえ

それが孤独に生きる人の頭に流れ込んでくる言葉

だがもし、そばに一人でもいてくれたなら

強く慣れるかもしれないのに

体中真っ黒な影に包まれた女性は

雨が降る夜、ただ闇雲に歩いている

ずぶ濡れになった服は…心の中で泣いている涙の量なのだ

そして、囁きかけてくる

一人の子供

「注目浴びたいなら…大きなことをすればいいよ、みんなが恐怖で

逆らえなくなるような大きなことを」

目の前に小さい傘を持った子供

傘で顔が見えないが、今の私には関係ない

「私と会話してくれるの？」

「貴方が望めば」

「ずっと一緒にいてくれるの？」

「貴方が望めば」

「みんな注目してくれるの？」

「絶対に…」

そしてこの日の夜、私は変わった・・・・・・・・・・・・

孤独だった人が変わると、とんでもなく恐ろしく、強く、早く

世界の陥れてしまう

彼女に不要な人間は殺してしまえ

幸福を齎す人間は消してしまえ

不幸を纏う人間は仲間に誘え

笑顔な人間には恐怖を与え

恐怖の人間には絶望を与え

光差す人間には夜を与え

夜雨が降る夜…始まりの孤独が始まる

　　　　　　　　　　　　貴方は今孤独ですか？