素っ気ない彼女の仕事

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「彼は、このカメラの中で生き続けていたのです」  言い終わると、彼女はカメラから手を離した。 「ガシャ」  と言うガラスの割れる音よりも、大きな悲鳴が聞こえた。  ように、僕は感じた。  それから、彼女は、残骸を塵取りで集め、燃えないゴミに出した。  呆気ない幕切れ、淡々とした処理。  それが彼女の日常的な仕事である。
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