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第三話 琥珀色の未来で
ルロには気付いたことがありました。
飾化現象は、発症した本人に影響に無いのか。
十中八九で影響はないと思っていました。
でも、仮にそうではないのなら?
彼女は自分を愛せていないということ。そういうことになります。
ルロには決めたことがありました。自分はこの島に居続けようとすること。彼女を、彼女の景色を好きでいることで、彼女に自分自身を好きになってもらうこと。
目の前の景色はそう思うくらいに素晴らしかった。感謝するものだった。そして、あわよくば自分も……。
数年後、城には一匹と一人がいた。
一匹は全身が琥珀の体毛に覆われている竜でした。
竜が寄り添っていたのは、琥珀の左目をもち黒曜石の髪を輝かせる女性だった。
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