第二話 宝石の世界に

1/7
前へ
/13ページ
次へ

第二話 宝石の世界に

『はじめに  愛する物を、者が石化する現象を我々は飾化現象、飾化した生物を飾化生物と名付けることにした。この現象がどのような仕組みによるものか分からない。病気なのか呪いなのか、それすらも不明だ(数百年前の文献に似たような症状を記したものは存在するが逸話だと考えられており、また、そもそも規模と症状が軽度なものとなっている)。故に、この現象の対抗策を打ち立てることは、実質不可能だと考え、我々は我が国で起こったことをただひたすら記録することに善処することにした。 パラベス:久慈之国における珠晶化現象の報告』  荒波を小舟で越えて久慈之国に辿り着いたルロは最初に、この島の主を、すなわち薫陸香姫を訪ねることにしました。  肩に掛けた古びた鞄からパラベスから貰った久慈之国の全体を描いた地図を出します。鞄には、他にも久慈之国にいたという学者や医者の研究資料や報告書がみっちりと入っていました。旅をしながら、パラベスから貰った報告書や地図以外にも、何人かの久慈之国の元国民から話を聞いたり、書物を引き取ったりしたのです。     
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加