第二話 宝石の世界に

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「真名を久慈之玉神子といいます。既に国は滅びましたゆえ、どうぞ、気軽にタマとお呼びくださいませ」  タマはどこか寂しげに言いました。 「はい」  そう一言、ルロは答えます。 「ところで……」  薫陸香姫は、タマは何かおどおどしながら言葉を発します。 「ところで、お名前を聞いてもよろしいですか?」  そう聞かれてルロは初めて自分が名乗っていないことに気付きました。 「失礼しました。ロラシア国から参りました。瑠露と申します。どうぞ、ルロとそのままお呼びください」  ルロは頭を地面に着くくらいに低くしながら、名乗りました。 「頭を上げてください。私はもう姫を名乗れるほどではありませんのですから」  そう聞いて頭を上げたルロが見たタマの表情はどこか困ったような表情をしていました。 「そういえば、島の中を既に周られたのでしょうか?良かったらご案内いたしますよ?」 「それはそれはありがたい。よろしくお願いします」  ルロは島について予習はしていましたが、タマに興味がありました。だから、ルロはタマと共に行動することわ決めました。 「始めは……そうですね。手近な鳶ケ森(とびがもり)にしましょうか」  そう言って、城を後にしました。 「城下町は城の南側、つまり、あなたが入ってきた城門側に広がっています」  タマは唐突に口を開きます。     
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