君を想う

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「い、伊藤……君?」 少し乱れた呼吸のまま、実里はその場の勢いからか、文字をなぞり続ける直志にそう話しかけていた。 「ああ……どうも」 そんな実里に視線を動かすと、直志は静かな声で会釈をした。 もちろん、プライベートで顔見知りの同級生にたまたま会う確率はゼロではないけど、実里は正直予想していなかったこの事態に慌ててしまったらしく、不似合にもその場で目を泳がせていた……
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