君を想う

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そんな実里を気にした直志は、立ち読みしていた本を咄嗟に閉じると、おもむろに口を開き始めた。 「……え、えっと、だ、大丈夫?」 「……え!? あ、大丈夫大丈夫!!」 我に返ったように直志にそう返した実里の声は、おばあちゃんがゆったりとした面持ちでレジ前に座っている小さな本屋に強く響いた。 「あ、ご、ごめんなさい……」 それに気付いた実里は顔を真っ赤にさせながら、誰とも言わず静かに頭を下げた。
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