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俺は試合中、周囲にモクモクと立ち込め、空間に暫く滞在するバクテリ庵Ωによる強烈な臭いのメカニズムを解明に尽力しながらも、デッドゾーンは避け間合いをとっていた。
「「金返せ~」」
「「価値ねえーぞ!」」
「「「「「アイス買えば良かった~」」」」」
せっかちな観客や試合観戦に目の肥えた輩から、時折そのような野次が飛ぶ・・・。
試合展開はつまらないだろうが、俺が勝つには”ソイツ”を紐解く必要があった。
とはいっても、格闘技。
ファイターの中には大量の汗もかけば、汗が血ヘドと混じり合い、悪臭を放つ場面なんて、しょっちゅうだ。
しかしながら、バクテリ庵Ωの体臭に至っては次元が違っていた!
考察するに、『雑菌の繁殖によるワキガ』で説明のつく範疇を遥かに超えているのだ。
これは・・・、メルカプタン?
こんなにレンジを空けていても腐った内蔵を切開したような異臭が漂うというのか。
とてもじゃないが、こんなもんが染み込んじまうと、1日2日の全身殺菌シャンプーでも落ちやしないぞ。
「はっ!」
「・・・?」
このラッシュガード。
マンハ的分析からいくと、バクテリ庵Ωの臭いの秘密の一つとして、彼が愛用しているラッシュガードにあるのではないだろうか?
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