第1章 人と奴隷

2/2
前へ
/135ページ
次へ
奴隷は人に命を吸い尽くされる運命だ。 喜怒哀楽は赦されない。自由など以ての外。 例えるなら籠の中で飼われる鳥であり 例えるなら肉のために肥えさせられる豚であり 例えるなら暖のために燃やされる草木である。 人の暮らしと悦のために生を捧げ、死にゆくだけの存在。 彼らは全てを奪われる。一つまみの幸せを照らす筈だった、ささやかな光さえ。
/135ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加