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命は三つの要素で構成されている。
魔・霊・幻に分けられるその三つの力は、時に生命を救い、時に敵を打ち払う。
魔とは創造の力。外部に作用し、自ら外敵と戦う。
霊とは変化の力。強化・回復し、自らをと外敵から守る。
生き物の中でも特に人間はこの使い分けや配合が上手いという。
多くの経験と時間が人に魔術と霊術という可能性を施した。
二つを調和させて人は今を生きている。
では、幻とは何か。
幻とは未知と奇跡の力。
常識や理論では説明できない現象を引き起こす特質的な要素。
しかし、大多数の人はこの要素を一パーセントも持たない。仮に持っていたとしても、その力を自在に操ることのできる人間は更に限られてくる。
つまり、命は二つの要素で構成されていると言ってもいい。
だが――。
この世には幻によって生み出され、説明不能の現象を引き起こす生命が存在するらしい。
人はそれらのことを『幻草』と呼んだ。
そして、その幻草を研究する者を『幻草学者』と呼ぶ。
あなたの身の回りに説明できない現象や奇妙な兆候はないだろうか。
もしあれば、すぐにでも幻草学者を呼ぶといい。
手遅れになる前に。
(アイザック・シェードル著『幻草との対話』より)
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