姿なき想い人

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 旅の商人であるため、いなくなる時期があるのはわかっているのだが、それでも三カ月以上時期が空いたことはない。これまでに比べて長すぎるのだ。  エルサは気になって町に行き、彼のことを何人かの同業者に訊ねた。  すると、誰もそんな青年の事など知らないのだという。  店にも行ったが、誰も覚えていない。  挙句、ある店員にこう言われてしまった。 「あなた、いつも一人で来ていたじゃないですか。楽しそうに話していましたけど、相手がいないって店の裏では有名だったんです」
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