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メッセージがあった。
【お母さん。いつもおいしいご飯を作ってくれてありがとう。
本当は感謝しているのに、恥ずかしくて伝えられなかった。
ごめんなさい……】
【母さん、俺の事を思って言ってくれていたのに、ごめんなさい。
でもさ、俺大学合格したんだぜ! 母さんと同じ大学なんだ
褒めてくれてもいいんだぜ?】
【みさと、よく頑張ったな。俺はおまえと出会えて
幸せだ。心から愛している】
本のページにじわぁ~と、水滴が広がる。
ポタ…ポタ…と涙がこぼれ落ちていた。
息が苦しく、泣きながら崩れ落ちる。
どうして? どうして涙がでるのだろう?
どうしてこんなに悲しくなるのだろう?
泣いていると、視界に誰かの靴が見える。
ゆっくり見上げると……
私の家族がいた。
何も喋ることなく、スーツ姿の家族が泣いていた。
急激に頭痛が襲い、視界がゆがむ。
「あ……あぁ…あぁあぁ」
「嫌だ! まだ行きたくない! 生きていたい」
「まだ、子供達にご飯を作ってあげないといけないの! お父さんと夜に
お酒を一緒に飲んで過ごすの……」
「どうして……」
それは、一冊の本と家族が送り届けてくれた
お供え物だった。
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