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私の名前は的場歩。絶賛就活中の大学生。夏の現段階で内定0。相当焦ってる。私は最近帰り道に近くの丘の上の公園でビールを片手に夜の星空に向かって就活の不満を叫ぶのが日課になっていた。その公園は近くには住宅もなく多少の大声をだしても迷惑にはならない場所だ。
「面接官のバカヤロー!「なにが君はもっとはっきり喋った方がいいよ」よ。私より隣の子の方がボソボソ言ってて聞こえないでしょ。それをちょっと可愛いからってクソヤロー」
そんな事を夜の空に向かって叫んでいた。そして叫んだら公園のベンチに寝転がり夜空を見上げた。
「なにしてるんだろ私」
夜空に煌めく星々をみてたら情けない自分に涙がこみ上げてきた。その時 「ガサ」人の気配を感じた
「あの大丈夫ですか」
起きて見ると同い年くらいの青年が心配そうな目でこちらを見ていた。
「あぁすいません。大丈夫です。ちょっとストレス発散してただけですから」
恥ずかしい所を見られたとそそくさと帰ろうとした時
「分かります。ここ星が綺麗ですもんね」
青年が喋りかけてきた
「そうですね」
私もその青年の言葉に返答していた
「ちょっと座りませんか」
そう青年が言ったので私も一緒にベンチに腰掛けた
「いつもここでさっきみたいなことしているんですか?」
「あぁ見てたの。ちょっと就活が上手くいかなくて、だからここで叫んで星を見てリセットしてるのよ。ここから見える星は綺麗だからなんでも受け入れてくれる気がして」
青年がクスッと笑った
「あなたにとって星とはなんですか?」
青年が聞いてきた。私はいきなりの質問に戸惑ったが夜のこの場所の不思議な雰囲気のせいかすぐに答えがでた
「私にとって星はお母さんかな。さっきも言ったけどなんでも受け入れていつも元気にしてくれるから」
それを言うと青年が立ち上がった
「僕帰ります。あなた心が綺麗だ。僕こんな気持ちになったのは久しぶりです。きっとあなたは大丈夫」
そう言って青年は去っていった。不思議な人だったけどなんだか元気が出た気がした
ー次の日ー
「もうお母さんなんで起こしてくれなかったのよ」
「アンタが悪いんでしょ。人のせいにしないの。それよりご飯は?」
「いらない。買って食べる!行ってきます」
「きっと大丈夫」あの人の言葉を胸に今日もまた歩き出す
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