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残されたランバートも、クリフも気持ちは複雑だった。エドワードがずっとロディを想っているのは分かる。けれど、もう三年近くが経っている。もうそろそろ、幸せになってもいいだろうに。
「あのままでは、双方にいい事がありませんね」
静かに言ったアルブレヒトは何かを考えているようだが、その目は案外厳しい。笑みのない様子は少し心配になってしまった。
「双方というのは、エドワード先輩とエメリナさんですか?」
「いえ、エドワードとロディという子です。エドワードが離さないから、ロディも離れられないのですよ」
「それって!」
クリフは怖々とアルブレヒトを見る。ランバートも、まさかだ。だって、ロディが死んでもう時が経ちすぎているのに。
だが、アルブレヒトはゆっくりと一つ頷いた。
「エドワードの側にいますね。ただ、守護ではない。エドワードが後悔し続けて自身を責めているから、ロディも離れられないんです」
トントンと自身の膝を指で叩いていたアルブレヒトは、やがて何かを決めたようにパンと膝を叩き、立ち上がった。
「なんとかしてみましょうか」
ニコッと笑ったはずなのに、その笑みが少し怖く感じた。
夕方、屋敷は突然賑やかになった。それというのも外に出ていた騎士団組が帰ってきたのもあったが、他にも来客と帰宅した者がいたのだ。
「じゃあ、これがあの時のタコ……」
「もぉ、タコ野郎なんて酷いわ~、ランバート様ぁ」
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