故人は生者の幸せを願う

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「……げっ」  来客というのはバロッサギルドの者で、彼らに王都への伝言をお願いする事を決めたのでハリーとコンラッド、そしてゼロスが行ってくれたのだが……それがいつぞや助けたタコ野郎だったのだ。 「キャラが、違う……」 「いや~ん、覚醒したって言ってちょ・う・だ・い」 「だから似合わないし!!」  ハリーが全身鳥肌を立ててコンラッドにしがみついている。まぁ、当然だろう。何せガチムチのハゲがアイシャドウつけてウィンクしているんだ。 「凄い破壊力……神はなんてアホな……いえ! 残酷な仕打ちを……」 「アルブレヒトさん?」 「あの人の魂、女性なんですよ。自覚したら、なんか……うえぇ」  遠い目をしたアルブレヒトが撃沈されている。この人がこんな事になっているとは、凄い。ガチムチマッチョのオネェ、恐るべし。 「ところで、どうしてここに? 依頼内容は分かってるはずじゃ」 「それなんだがな」  ゼロスが頭が痛いというように眉間を揉む。その間に「まぁ!!」というタコ野郎の声とクリフの「ぎゃー!」が重なった。 「クリフ!」     
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