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そして、ランバートとファウスト。出会って少しで馴染んで、驚くくらい穏やかでいられた。そして彼といる為に自分を変えていくことに苦痛がない。
だが、消えて行くものもあるのだ。それがいいのか、悪いのかは分からないが……。
夕食後、エドワードともお酒を飲んだアルブレヒトはランバートを側に置いた。他愛もない話をしているが、アルブレヒトが何をしようとしているのか分からないままだ。
「おや?」
「どうしましたか?」
向かい合うエドワードを見て首を傾げたアルブレヒトが、軽く腰を上げて前に出る。そして、肩をパンパンと軽く払った。
「ゴミがついていましたので」
「あぁ、申し訳ありません」
目を丸くしたエドワードが、少し恥ずかしそうにする。でも、ゴミなんてあっただろうか?
「エドワードさん」
「はい?」
「日中のお話、私は良いことだと思いますよ」
徐に話が流れた。それに、気まずい顔をしたエドワードだったが、今度はアルブレヒトが引く様子をみせなかった。
「あのお嬢さんは心根が優しく献身的な女性です。他を思える広い心を持っています。とても良縁ですよ」
「ですが……」
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