故人は生者の幸せを願う

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「縁は自然と結び、消える。死者との縁はやがて良い形で消えていくものです。結びが強いと縛りつけて次に行けなくなってしまう。魂が、変化してしまいます」 「そうなると、どうなるのですか?」 「自分では神の元に行けなくなり、人に悪影響を与えてしまいます。そうなる前に、解放してあげなければ。まぁ、自ら望んで憎しみの飲まれればどうしようもないのですがね」 「ロディはどうなりますか?」 「しばらくは側にいても、繋がりは切りました。大丈夫だと思ったら、自分で逝けますよ」  それを聞いて、ちょっと安心した。 「ランバートにも、古い結びが見えますね」 「え?」 「貴方は兄のように思っていた相手です。おそらく、酷い死に方をした人です」  言われ、ドキッと心臓が跳ねた。デュオで、間違いがない。嫌な感じに胸が苦しくなっていく。 「まだ、いるんですか?」 「大丈夫、残滓が残るだけで成仏しています。彼は酷い死に方をしたのに、誰も恨まなかったのですね。実にカラッとしている。ただ、弟のようだった貴方の事が心配だったのでしょう。貴方が新しい場所と仲間を得て安心して、離れていったようです」 「そう、ですか……」  よかった。そうか、誰も恨まなかったのか。あいつらしいけれど……心配させてしまったな。     
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