帝国包囲網

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帝国包囲網

 シウスと共に後発の第二師団半分が到着したのは、元傭兵だった女弓兵があらかたのことを話してから二日後の事だった。  途中、こちらから送った伝令から話をざっくり聞いていたシウスは最初から厳しい顔をしていた。 「――思った以上に、嫌な状況じゃ」  ランバートやエリオットから話を聞き終えたシウスは腕を組んで唸るしかない。側にいるウェインもまた、なんとも言えない顔をしていた。  それでもシウスの決断は早い。ウェインを見るとすぐに指示を出した。 「第五と、王都に残した第四を動かしラン・カレイユ攻略をさせよ。指揮はクラウルに。暗府も使って内部を探り、監禁に使われているらしい施設を中心に攻略せよ。おそらく奴等は力ある者を従わせる為に人質を取っておる。それらを解放せねば、ラン・カレイユが自由にならぬ」  それに頷いたウェインは早速動こうとした。だがそれを止めたのはアルブレヒトだった。 「それなら、私の所の者を出します。チェルル、ハクイン、リオガンの三名を使いに出し、そのまま使って下さい」 「それは構わぬが、離してよいのかえ?」     
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