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「あんた10キロも太ったんだ。私そんなに太っちゃったら死ぬ気で痩せると思うわ」私は何も考えずに言ってしまったが少し傷つけてしまったかもしれないと反省した。
「何言ってんのよ、あんたまだ全然余白あるじゃない。あんただったら50キロ太っても余裕だと思うわ。」
「何の話してんの?」
「いや、私最近自分がマジで爆発してしまうんじゃないかって不安になるのよ」
「なるほど、まじの死ぬ心配か」
どうやら佑子の辞書に美容の二文字は無いようだ。
「それに最近寝てるときに息してる感じがしないのよね」
美容のことは無視できても健康の2文字は嫌でもつきまとうようだ。
「ちょっとは食生活について考えてみたら?知り合いの栄養士紹介しようか?」
「そういう人たちとは考え方が合わないから絶対言い合いになるわ」
「合コンじゃないんだからそういうのは我慢しなさいよ。きっと役に立ってくれると思うわ」そういうと佑子は神妙な顔をした。
「あのね、私は太くて短い人生を送りたいの」
「うまく言ったつもり?全然うまくないし全く解決してないわよ。」
「そうね、この話はまたこんどにしましょう。それより私何話そうとしてたんだっけ」
「確かハンバーガーショップのレジで働いてるとか言ったところで止まってたと思うわ」
「あらそう、まだ何も始まってなかったのね」佑子はそういうと話しながらずっと巻いていたナポリタンの塊を口に放り込んだ。満足そうにほっぺたを膨らませ2,3回噛んだら一気に飲み込んだ。
「30回噛むのがいいらしいわよ?」
「あらそう、5回から始めてみるわ」佑子は斜め上を見た「どこまで話したっけ?」
「ハンバーガーショップで働いてるっていうところから」
「そうそう、はじめからだったわね。私がレジを打ってるときに変なお客が来てね」
「あんたが変っていうぐらいだからよっぽど変なのね。」
「いや、私は愛くるしい変人だけどあいつは愛されない変人よ。そこは区別して。」
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