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君と、君を
A「これでいいの?」
パシャリ
B「いい感じだよ、初めてにしては様になってる。その手の感覚、覚えておいて。それじゃあ何か撮ってみようか」
A「勝手にとらないでよ……まあいいけど。何をとればいいの?」
B「うーん、なんでもいいのだけどね、それじゃああそこにいるキツネでも撮ってみようか。ちょうどこっちを見ているよ」
A「わかったわ。でもあなたは何をとるの?」
B「僕のことは気にしないで。写真はほら、自分が好きなものを撮るのが大事だから」
A「ふーん、そっか」
カシャリ
B「撮れた? それじゃあ次はこの梅なんていいんじゃないかな」
A「うん」
カシャリ
B「次はそこの小川はどうだろう」
A「うん」
カシャリ
B「あとはそうだなぁ、あそこからの景色とか」
A「うん」
カシャリ
B「一旦、綺麗に撮れているか見てみようか、どれどれ……うん! いいじゃないか。それじゃあ、あとは好きにとってみてよ」
A「ありがと、やってみるわね」
B「僕も負けてられないな」
パシャリ、カシャリ
パシャリ、カシャリ
パシャリ、カシャリ
B「収穫は上々だね」
A「もう夕方なのね」
B「そうだね、名残惜しいけど帰らなきゃ」
A「これって現像はどうやるの?」
B「あはは、これはデジタルだから、現像なしで直接プリントできるんだよ」
A「そうなんだ。それじゃあ、はい。プリントお願いね」
B「撮った写真、確かめないの?」
A「やめとく、楽しみが減っちゃうから」
B「そっか。あっ、よかったら、プリントはそこのコンビニでもできるけど」
A「絶対ダメ、君の家でやって」
B「う、うん。わかったよ」
A「今日は誘ってくれてありがと。写真って楽しいのね、また誘ってね」
B「楽しんでくれてうれしいよ。次撮りたいものとか、希望はある?」
A「そうね、次はどこでとろうかしら」
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