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突然響いた“えっ?誰?”って声に全員、身を固くする。口をポカンと開けているエリザべと少女の視線に振り向けば、黒いスーツを着込み、頭から角を生やした人間、
いや、顔めっさ青いから、多分“魔族のにーちゃん”がツカツカと
俺達の前に歩み寄り、白い布を、えっ?パンツ?あ、シヴァ姫の探してたパンツだ!
コレ!を、床に叩きつけた。
「白い、そして温い、匂いはシヴァ姫…一体どーゆうこった?」
驚きの色、手触り等々を確認する俺達に逆ギレのように、怒ったにーちゃんが捲し立てる。
「見りゃわかるだろ?俺、魔王の使い。お前等と人間の調和を乱すため、姫のパンツ
盗んだの、俺!そのまま逃げようとしてたら、悲鳴聞こえて見に来たら、コレ!
お前等非道すぎ、俺達、魔族の方がまだ優しい。お嬢さん、安心しな。これで万事解決だぜ!」
イッケメェェェン!と言う風に親指を立てるにーちゃんに、木馬に乗った半裸の少女が
ウルウル涙顔で何度も頷く。(全然、気づかなかったが、俺達のやり取りの間にエリザべが
色々、準備を進めていたようだ)
それに答えるようにイケメン魔族の得意声が続く。
「吸血ねーちゃん、その子を離してやんなぁっ!もう、対価の必要はねーだろ?」
「うん、ホント、色々解決だわ。」
遮る俺の声と鋭い爪付き拳がにーちゃんの顔面に叩き込んでいく。みるみるボロ雑巾の
ようになっていく魔族を見ながら、涼しい顔をしたドラコが少女を木馬から降ろし、
「全部、作戦通りだから。」
と嘯くも、少女と未だ未練がましく彼女の体を舐めているエリザべは“全然、信じていません!”って顔を最後まで崩さなかった…
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