パンツ☆ダークファンタジー

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「うんもおお~っ、下着なんて、いくらでも替えのモノを用意しましたのにぃ~っ」 「うん、でも…大切なモノだし…」 ほんわか笑顔を見せる、“明るいエルフの姫”にウチのシヴァ姫は真っ赤になって俯き加減で答える。それを眺め、世界の平和と、それよりもっと大事なマイライフが安泰になった 俺達は “ウン!ウン!”とスッゴイ笑顔で頷く。あの後、未練がましく少女をしゃぶしゃぶする エリザべに、半殺しの魔族を引き渡し(“たまには大味も悪くないわぁ~”とエリザべも 喜んでたから、尚、安心!)震える彼女を逃がしてやった。勿論、逃がす前に 「今日あった事は内緒だぞ?お嬢ちゃん、野良犬と野良トカゲ&吸血鬼に ちょこっと噛まれたと思うんだ。わかったな(噛まれたどころか命の危険がっ! とツッコミそうな彼女の視線は完全スルーなのは言う間でもない)」 と脅しておいた。これで完璧、全て安心だ。そんな想いにふける俺の前で ニッコリ細めのエルフ姫がうっすら目を開け、呟く。 「あら、そう言えば、今日はもう一人来客があるんですけど、見えませんねぇ~っ?」 「来客?」 「ええっ、私が姫にプレゼントしたパンツ。あれを持ってきてくれた人間の方達の代表の 人ですよぉ~っ!今日は彼女特性のキノコスープを御馳走してくれるらしくってぇ~。」 俺達の間に共通の電撃が鈍く走り抜ける。隣でドラコが「なっぞの子キノコ、あのキノコ、どっこの♪」と震えながら歌う。勿論、わかっているぜ、相棒!とっとこ、ずらかろう!と 目で頷き合い、静かに退席しようと歩み始める自身の耳につい数分前までやり取りしていた声が響いた。 「すいません~、森でキノコ採ってたら、野良犬と野良トカゲ&吸血鬼に ちょこっと噛まれましてぇ~っ!って、あれぇ~っ?お二人は~?」 最初は申し訳、途中から嬉しそうな声&勝ち誇り音声に切り替わる少女の声と、 今度は彼女の熱い視線を前方から受け、さらに後ろは斧を静かに構え、 「詳細…キボンヌ…」 とパンツどころか、だいぶ人間らしい言葉を使うシヴァ姫の、殺意満々の視線を ビシビシと感じ、俺とドラコは、この世の最後の見納めになるであろう少女の笑顔を、 とりあえずジックリ目に焼き付けた…(終)
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