パンツ☆ダークファンタジー

4/12
前へ
/12ページ
次へ
 そもそも俺達みたいな魔物がシヴァ姫を中心に徒党を組んでいたのは、人間共から 森を守るためだった。鎧と剣に加えて魔法やらで武装した奴等が 馬鹿な王様の領地拡大の命を受けて、森にズカズカ入ってきやがった。これに怒った俺達と姫は、連中と何度も戦を繰り広げた。そのおかげで人間界との平和的交流は戦前に比べ、 ごく一部のみとなっていった。 転機が訪れたのは数年前…森の魔物とは違う闇の勢力、魔界の連中がこの世を支配しようと企んだあたりだ。 始めの頃、魔界の連中は俺達の森にやってきて、協力して人間を滅ぼそうと持ち掛けた。 正直ノル気満々だった俺達とシヴァ姫を止めたのは… 森の明るい部分を担う奴等“エルフ”とその姫様、会話に出てくる“明るい姫”の存在だった。彼女等はごく一部の平和的交流の役割を担ってきた存在であり、人間達の可能性と 豊かな文化を姫に説き、魔界の連中の真の目的、森全体どころか世界を滅亡させようとしている事を教えた。 これに説得されたウチの姫様は納得し…てか絶対、エルフの美貌とか、可愛いらしさ、 母性すら感じさせる抱擁的な何かに、ほだされたと俺は見ている…まぁ、普段は周りに 化け物ばっかだからな。こればかりは仕方ない。 とにかく、そんな経緯を経て、エルフ、人間とが手を組み、魔界の連中を撤退させるに 至った。その時のお礼。三勢力の平和の証としての贈り物が、シヴァ姫の穿いてるパンツ。 「女の子ですから、やっぱり穿いておかなきゃ、元気な赤ちゃんを産むためにも~っ」 「えぇっ!?パパは誰っすかぁっ!?」と俺達のザワつきを他所に、ぽわぽわボイスの エルフさんからの粋な計らいに、シヴァ姫が顔真っ赤とはにかみ笑顔でそれを受け取ったもんだから、マジでビックリ!俺達にとって色んな意味で新しい朝が来た。 これは、今までは腰巻きか全裸に近い文化しかなかった世界の新しい進化の印でもあり (一部の人間に言わせると“バッカヤロウ、余計な事しやがってぇ!”らしい) 何とは無しに、この世の命運を、もしかして握ってんじゃね?という代物… それら全てをひっくるめた要素を持っているのが、今現在ロストしているパンツである。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加