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 警備員さんの忠告に私は困ったように笑ってみせる。確かに、もう集中できないし、だるいしな。限界を感じた私はパソコンの電源を切った。  そして、デスクに突っ伏しながら、書類を確認していく。たくさんの書類にため息をついた。なんで私ばっかり、こんな目に遭わないといけないの。  ここまで仕事を頼まれるようになったのは数ヶ月前からだった。仕事に慣れてきたということで、任される業務を急激に増やされたのだ。断ることが苦手な私には責任感だけがのし掛かり、それに漬け込まれるように仕事を任された。また、断ろうとしても『部長の方針』の話をされると、口をつぐむことしかできなかった。 「じゃ、気をつけて帰れよ」  警備員さんは軽く挨拶すると、職場から出ていった。私もシャットダウン出来たのを確認すると、鞄と上着を持ち自分のデスクから離れる。  私のデスクに対し、同僚や上司のデスクは片付いていた。というか、何もない。こっちは整理整頓する暇もないのに。  だんだん苛立ちながら、出入り口まで向かう。ふと飾られていた売上トップの表彰状とそれを受け取っているときの写真が目に入った。満面の笑みで映る部長が憎たらしい。こいつのせいで残業代が出ないんだ。  私は写真に映る部長の顔を指でつつきまくる。指跡まみれにしたあと、職場を後にした。
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