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ルッツエルン・2
「汝(な)の指は汚れてゐぬかとヤンが問ふ事故死せし両親(おや)その写真見せしとき」
※旅客機事故で両親を亡くしたと涙ぐんでヤンが云う。彼の陽気さと気丈の裏にはわけがあった…。
「ルッツェルン美しきまち湖(うみ)のまちホテル・イルゲへ人よいざたまへ」
※宣伝しちゃいます。ルッツェルンへお越しの際はホテル・イルゲへぜひどうぞ。
「湖(うみ)ほとりたたずむ我に子犬向け縁(えにし)たまひし美女にいらへあへず」
「光晴のランボー詩集に身を染めて遥けくも来たりしものか聖地(ここ)へ」
※ランボーの生誕地シャルルヴィルメルヴィルにあるランボー博物館を訪いました。やっと来たという感じです。
「メルヴィルに彼の人愛されおはすなり黄色き弟子など誰か知るらん」
「いづこにもありのすさびの民のゐて世知らぬ冠者をかへりみもする」
※「ありのすさび」=「生活にかまけ切っていること」 ※「冠者」=「若者」
「彼の人の船上(ふなへ)にあらなくに酔ひどれし零落ママンの駅前ポルカ」
※「彼の人の船上(ふなへ)」=ランボー「酔いどれ船」
※パリ、オーストルリッツ駅前で泥酔した御婦人が彫像の台に上って踊っていた。ワインをラッパ飲みしながら。
「ロマの血の本懐なりき我はこの異国をさすらふ異邦人となり」
※グラナダにやって来ました。赤茶けた、南国ムードの漂う町…がその印象。これこそ少年の日に夢見たさすらいの原風景…などと感動したりして。
「ひとり来てアラブの王に遊ぶなりアルファンブラよ妃もあらはれよ」
※世界の三大庭園の一つ、まことに見事なものでした。その時は私一人しかいないかのごとく空いていて、わが庭園を遊ぶアラブの王を満喫。あのポーチの影から妃は現れないものか…。
【スイス・ルッツエルン市の有名なカぺル橋です】
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